仕事に対する価値観から早期退職を考える
FIREとは、経済的自立と早期退職の2つの意味があります。今回はFIREのRとE、「retire early、早期退職」について考えてみました。
会社員のほとんどは「会社に行きたくない、できることなら辞めたい」などと思ったことがあるのではないでしょうか?
一方で、「会社は好きじゃないけど、転職や辞めてまで環境を変える気はない」、「会社も仕事もどうでもいいけど、給料もらうために8時間我慢したらいいだけ」とも思う方もいます。
なぜ、仕事をしていますか?
「お金のため」「スキルアップのため」「誰かの役に立ちたいため」
働く理由、働く上で大切にしたいこと「働く価値観」は、人それぞれです。
「仕事とは、自分の能力や興味、価値観を表現するものである。そうでなければ、仕事は退屈で無意味なものになってしまう。」
これは、アメリカの心理学者で、キャリア研究者のドナルド・E・スーパーが提唱した、
代表的なキャリア理論です。
スーパーは『仕事の重要性研究 work importance study』で、仕事に対する人の価値観を14項目に特定しました
労働価値 | 内容 |
能力活用 | 自分の能力を発揮できること |
達成 | 良い結果が出せたという実感を得ること |
美的追求 | 美しいものを作り出すことができること |
愛他性 | 人や社会の役に立つこと |
自律性 | 他の命令や束縛を受けずに自分で仕事ができること |
創造性 | 新しいものを生み出すことができること |
経済的報酬 | お金をたくさん稼ぐことができること |
ライフスタイル | 自分が望むような生活が送れること |
身体的活動 | 身体を動かす機会が持てること |
社会的評価 | 世間、社会に自分の仕事の成果を認めてもらえること |
冒険性 | ワクワクするような仕事ができること |
社会的交流性 | さまざまな人々と接点をもって仕事ができること |
多様性 | いろいろな活動、仕事ができること |
環境 | 業務の環境が心地いこと |
どのような価値観を持つかによって、会社や仕事に対して抱く感情は変わってきます。
まだまだプレーできるのに引退する中田英寿や、プレーできなくなるまで現役を続ける三浦カズなど、価値観は人それぞれ、時代や環境によって変化します。
ただ、最近では社会情勢やテクノロジーの進化によって、大きな組織に所属しなくても個人でできることが増え、仕事に対する価値観が変化するスピードが速くなりました。
仕事に対する価値観は、世代間でも差があります。
団塊の世代は金銭的報酬が1番という方が多かったものの、最近はお金よりも重視することが多様化し、仕事に対する価値観はお金が一番という訳ではなさそうです。
人それぞれ仕事に対する価値観は異なり、キャリアや環境によって変化するものとしてライフプランを考える必要があります。
働くことは重要です。「嫌だから辞める」、「経済的自由を手に入れたから辞める」ということではなく、「仕事に対する価値観」を重視した早期退職の方が、FIRE達成後も充実した人生を送れるのではないでしょうか。
仕事に対する価値観別にFIREパターンを考えてみました。
好きなことをやるためのFIRE
1つ目は、現在の仕事に満足していなくて、他にやりたいことがあるけど、自分のやりたいことや好きなことだけでは、生活していくのが難しい場合です。
自分の趣味を確立していて、趣味の時間をより多く確保したい、今は趣味のレベルだけど、時間をかけたら収益化できる見込みがあるなど、趣味や特技を活かし、運用益と好きなことの収益で生活するFIREのイメージです。
趣味を副業として収益が上がるレベルまでに達すると、運用益は少なくてもよさそうですが、収益が上がらずコストがかかるような趣味だと、FIRE達成へ遠回りする可能性があるだけでなく、FIRE達成後も破綻する可能性があるので、色々なライフプランをシミュレーションした方がいいでしょう。
あえて退職しないFIRE
2つ目は、現在の仕事に特に不満はないけど、「いつでも辞められるような状況をつくりたい」「すこし仕事をセーブしたい」というような場合です。
高年齢者雇用安定法によって、60歳だった定年が65歳、70歳と定年年齢は年々引き上げられていく予定です。
ただし、60歳以降は役職定年や職場環境、自身の体力面の変化など、50代までと同じような働き方を続けられるとは限りません。
健康状態に不安があったり、変化する業務内容についていけなかったり、意欲はあっても働くことが辛くなることも想定されます。
慣れ親しんだ会社を急いで辞める必要はないが、体力やスキルが追いつかなくなった場合に、生活のために働かなくていい状態を作っておけば、無理して働かなくても、ゆとりある退職後の人生を送れるのではないでしょうか。
労働収入を得ない完全FIRE
最後は、労働収入は得ずに運用益だけで生活する完全なFIREです。
完全なFIREを達成する場合は、退職時期によって準備する投資元本に大きく差が出ます。
例えば、55歳で退職する場合、一般的には65歳から受け取れる公的年金支給までの10年間プラス、年金生活で不足する分の生活費を運用益だけでまかなうことができれば、FIRE達成ですが、
45歳で完全FIREを達成しようとすると年金受給まで20年間かかるのに加え、国民年金を納める必要があります。
さらに、厚生年金の被保険者期間が短くなるので、65歳以降受け取れる年金額も少なくなります。
勤続年数が短くなると貯蓄期間も短くなるので、短期間で生活費の25年分を貯める必要があります。さらに退職金制度がある会社の場合は、勤続年数が短くなると支給される退職金額も少なるので、退職金をFIRE元本に加えることも難しくなります。
40代での完全FIREは夢がありますが、リスクを抑えてFIREチャレンジをするためには50代以降のFIREを目指し、結果的に40代でもFIREできるようになるのがベストではないでしょうか。
気力も体力も充実している40〜50代を、何もせずに過ごすのは勿体無くありませんか。
FIRE達成後の時間をどのように過ごすのか、ライフプランをシミュレーションすることもFIREチャレンジでは重要です。
FIREチャレンジは簡単ではありません。専門家にアドバイスをもらうこともFIREチャレンジを成功させるポイントです。
FIRE達成にかかわらず、こうしたお金の流れを知ること自体が、選択肢を広げ、豊かな人生を送れるのではないでしょうか。
人生100年時代といいますが、我慢して生きるほど人生は長くありません。
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